SAKE101
Ep.2「SAKEはどうやって選んだらいいの?」

SAKEビギナーのAyaとTomo(Tomoko)がSAKEを楽しむためのノウハウを、
利酒師Sakiから伝授してもらうコーナー「SAKE 101」。

SAKEに興味はあるけどなんだか難しそう……と思っているあなたも一緒にSAKEのことを学んでみませんか?

前回、おいしいSAKEの見つけ方を教わって、意気揚々とSAKEを選ぼうとしたTomoko。
ところが、同じSAKEでもたくさんの種類があって…。

Edited by TOMOKO

~ 酒販店にて~



今日はおいしいSAKEを探しに酒販店に来ちゃった! ワクワク~!

~10分後~

 

酒造? 銘柄? 本醸造? 吟醸酒?? 難しい言葉がいっぱい…。か、買えない…。

~翌日~



え! じゃあ、結局何も買わずに帰って来ちゃったの?


そうなんです…。
酒造もたくさんあるのに、同じ酒造の同じ銘柄でも、種類がたくさんあって。どこから手をつけたらいいか、全然わからなかったんです。
SAKE……わたしにはまだハードルが高いのかなぁ…。



Sakiさん、せめて「その酒造ならこのSAKEを買うべき」っていうのを判断するための指標はないんですか?



残念ながら、ありません!



えーーー! そんなぁ……。


蔵によって、「この蔵のスタンダード」としているスペック(※「純米」や「吟醸」など、製法によってつけられた名称のこと)にはバラつきがある
ので、A酒造は純米吟醸を飲むべき、B酒造は山廃でしょ……など、一概には言えないんだよ。



じゃあ、どこから手をつけたらいいんですか?


まずは酒販店の人に訊くことかな。
例えばこの間Ayaさんが油長酒造の風の森を飲んでいたけど、「油長酒造だとどれがオススメですか? 」と訊いちゃう。
逆に、それで答えられないお店はSAKEにあまりこだわりがないっていうことだから、ビギナーがSAKEを選ぶお店としては頼りにならないかも。


なるほど。プロに訊くのがいちばんってことですね。


やっぱり、飲んだことがある人の意見を聞くのがいちばんの近道だからね。
あとは、雑誌・書籍でおすすめされている商品を選ぶのもおすすめ。
たとえば、この間、AyaさんはSAKEの本を読んでたよね。


それを読んで、油長酒造「風の森」の「秋津穂 純米しぼり華」を買ったんだよね。
それが「おいしい」と感じたなら、その本の作者のオススメは好みに合う可能性が高いかもしれない。同じ本に載ってる他の銘柄を買ってみてもいいかもね。



具体的な酒造や銘柄を決めていないときは、どうやって選んだらいいですか?


そういうときは、自分の好みに合わせてスペックを選ぶといいよ。
たとえば前回話したとおり、Tomokoさんなら旨口系が好みだと思うから、「純米(吟醸とついてないもの)」を選ぶといいかな。
Ayaさんはスッキリ系が好きだと思うから、「純米吟醸」「純米大吟醸」などを選ぶとハズレにくいはずだよ。



だんだん選択肢が絞れてきました!



でも、同じ酒造が同じ銘柄で作っているSAKEだし、スペックが違っても、たいして味は変わらないんじゃないですか?(疑いの目)

わー! めっちゃ疑ってる……(笑)けど、そんなことはありません!
SAKEのスペックの違いというのは、さっきも言ったように、造り方の違いなんだ。
たとえば、「純米」というのは、「醸造アルコールを添加しない」造り方という意味だし、「吟醸」というのは、「お米をいっぱい磨いている」造り方ということ。「生」というのは「加熱処理をしていない」という意味で、「生酛」というのは「昔ながらの造り方で造った」という意味なんだよ。



そんな意味があったんですね。


酒造の人の気持ちを想像してみて。わざわざ造り方を変えているということは、違う味を造りたい、ということなんだよ。味が変わらないなら、造り方を変えないほうがラクだよね。



そっか……。 疑ってごめんなさい!


他にも、造られた年度や、保存方法(蔵・酒販店・飲食店など)によっても味は変わってくる。
そして最後に、「飲み手個人によって味の感じ方は違う」ということも忘れずに!


「どのSAKEも同じ味じゃない」と思うと、たくさんの種類を飲むのが楽しみになるな~。
だけど、飲食店で同じ銘柄のスペック違いまで揃えてるところって、あんまり見たことないですよね?


確かに少ないかもしれないね。飲食店は、やはり食事に合わせることを考えて、その飲食店ならではの「味」を出すために、厳選したSAKEを提供しているお店が多いはずだから。
なので、今回の選び方は酒販店やネットで購入するときのポイントとして覚えておくといいよ。



スペックごとに細かく飲み比べたいって思ったら、やっぱり、酒造見学ですか?


蔵に行くのはもちろんいいと思うよ。でも、飲み比べができる可能性が高いとはいえ、絶対にできるわけじゃないし、全部の蔵に行くのは大変だよ~。



前回、全国に1500ほどの蔵があるって言ってましたもんね。さすがに無理か〜。

稀に、酒販店でも店頭で飲み比べをしているところはあるから、そういうところで試すか……とも思うけど、基本的には購入前に試し飲みはできない、と思ったほうがいいかな。
だから、近道は「飲んだことがある人に訊く」ということ! お店の人に訊いたり、雑誌や書籍でオススメされているSAKEを自分で試したりしながら、自分が「おいしい」と思えるSAKEを学んでいくのが大切なの。
それを積み重ねれば、だんだんと自分好みのSAKEを見つけらるようになれるはず。そんな未来をイメージして、できるやり方からSAKEを楽しんでみて!

●○まとめ○●

・各酒造・銘柄のオススメは酒販店の店員さんに聞こう!
・雑誌・書籍でオススメされていたスペックを買おう。
・実際にオススメをされたSAKEを飲んでみて、自分の好みを学んでいこう。