Written by Aya
SAKE(日本酒)、好きですか?
突然質問しておいて何だが、かく言う私自身は残念ながらSAKEが飲めない。なんといっても味が苦手だ。
でも私の周りの人はみんなSAKEが好き。
一緒にごはんを食べに行くと、決まってSAKEを飲む友だち。
お正月には笑顔でSAKEを持って集まってくる祖父や親戚。
SAKEを飲むたびに、お酒の瓶をながめながら語る夫。
彼らの姿を見ているとSAKEはおいしいものだって伝わってくるから、飲めないと人生の何割かを損しているんじゃないかって気がしてくる。本当は私だって一緒に同じ楽しみを分かち合いたい。だから一口だけ飲ませてもらうこともあるんだけど、どうしてもおいしいと感じられない。
そんな私の意に反して、たくさんの人を虜にするSAKEの魅力はなんだろう?
答えを知りたくて読んだのが、この本。
なんか難しそうな本だな。ただでさえSAKEってとっつきにくいイメージ。「大吟醸」とか「銘柄」とか、よく分からない言葉も多い……そんなことを考えていると、SAKEへの苦手意識がどんどん増してくるばかりでページを開く前に心が折れそうになる。
そんな思いをおさえてページをめくってみた。イラストが多く使われていて、表紙から受ける印象とは違い(失礼!)ポップでかわいい。読みやすい文章で書かれているので私でも読めそう。
プロローグを読んだだけで私はこの本を好きになってしまった。
「日本酒に
『絶対』はないってこと。
ゆるく、自由に、
誰でも楽しめる
お酒なのです」
SAKEに難しいイメージを植えつけて、遠ざけていたのは私の方だったのかもしれない。そう気づいて、先を読み進めた
* * *
私が気になったポイントを各パートからいくつか抜き出してみることにする。
Prologue 日本酒の新常識
のっけから衝撃の新常識。なんと「日本酒に『辛口』はない!!」。
SAKEの原料は「ごはん」→「ごはん」は甘い→だからSAKEも甘口になる、とのこと。
周りの人がSAKEについて話すとき「甘口」や「辛口」という単語をよく耳にしていたから、そういうものだと思い込んでいた。
他にもこんなことが書いてある。
「日本酒は酔いやすいはウソ」
「『日本酒=和食だけ』だなんてもったいない」
もう、これだけで読んでみたくなりませんか?
Part3 日本酒を買いに行こう
良い酒屋さんを選ぶポイントは、SAKEへの愛を感じられるかどうか。例えば熱心にSAKEについて話をしてくれる店員さんがいるお店なら、ハズレは少ない。
SAKEの知識がまったくない私は、酒屋さんに行くことすら気が引けていた。だって、SAKEに精通している人ばかりで、私なんかが行くと場違いになりそうな気がして……。
でも初心者こそ酒屋さんに行くことでアドバイスを受けられるし、選び方を教えてもらうのがいいのは間違いない。今度、勇気を出して行ってみよう。
Part4 家飲みを楽しもう
このパートを読んでSAKEは「生き物」だと感じた。紫外線に当たるとすぐに劣化してしまうし、保存するときの温度にも気をつけなければならない。
先日、家飲みするためにSAKEを購入したときは、この本を参考に細心の注意を払った。いつ買うのか、どうやって保管するのか、色々なことを考えた。そうすると飲むときに愛着がわいて、おいしさが増したような気がする。
SAKEの楽しみは開栓したときじゃなくて、買うときからもう始まっているのかも。
さらに注ぎ方やどんな器で飲むかによっても味が変わると書いてあったので、先日の家飲みの際に色々な器で飲んでみた。おちょこ、ワイングラス、マグカップ。
飲んでいるとだんだん酔っ払ってしまうので、最後の方は味の変化が分からなくなってしまった。今後、味の違いを試す場合は気をつけるようにしよう……。
* * *
とにかく、この本全体から筆者のお酒への愛が伝わってくる。どのページを開いても愛が詰まっている。やっぱり私はSAKEの魅力を知りたい。こんなに愛される存在。気にならないわけがない。
本の中にはたくさんの知識が分かりやすい言葉で、そして愛を込めて書かれているので、生活の中で見慣れないSAKEに関する単語を目にしたり、疑問が出てきたりすると、この本をめくるようになった。いつも探している答えがそこにあって、頼もしい存在だ。
SAKEに対する苦手意識だけはとりあえず克服して、やっと入り口に立てたような気がする。SAKEの魅力を深く知るのはこれからだ。
同じようにSAKEに興味はあるけど苦手という人がいたら、一緒にSAKEの魅力を探しませんか?
今回気づいたのは、何かを苦手だと思ってしまう気持ちは、単に知らないことが大きな原因だったということ。少し知識があるだけで苦手意識がだいぶ減り、好奇心が増して、どんどん深く知りたくなりますよ。