第1弾・資材メーカー編

Illustrated and Planned by Yoshito Fujiwara
Interviewed and Written by Saki Kimura
取材協力:きた産業

イラストレーター・フジワラヨシトのイラストとともに、SAKEにまつわる職業をご紹介する「SAKEのハローワーク」。第1回目は、「資材メーカー」のお仕事に迫るため、きた産業にインタビューを敢行! お仕事の内容や、就職のプロセスなどについてお聞きしました。


Q1. どんな仕事をしているの?


資材メーカーとは、SAKEに欠かせない瓶やキャップ、パッケージング機器などをつくるお仕事のこと。たとえばきた産業の場合は、全国の酒造メーカーの半数以上である約770社の
キャップをメインに、ガラス瓶、ラベル、カートンなどを製造。関連会社のルーツ機械研究所にて、瓶充填機(お酒の瓶詰めをする機械)やキャッパー(キャップをつける機械)、ラベラー(ラベルをつける機械)などのパッケージ機械、スパークリングSAKEなどの醸造設備を手がけています。製造に終始するのではなく、パッケージ全体に企画・デザインから関わっているのも特徴です


Q2. どんな部署・役職があるの?


実際に資材をつくる
製造部門、お客さまのニーズをもとに商品の企画を行う企画開発部門、キャップやラベルのデザインを担当するデザイン部門、既存クライアントならびに新規開拓先の酒造メーカーに営業を行う営業部門、品質管理やお客さま対応を行う品質保証部門などのほか、グローバルに活躍するきた産業のように、海外部門を設けているところもあります。
また、きた産業の製造部門がキャップ、ペットボトル、自動車用消臭器具に分かれるなど、各部門の内容も多岐にわたります。


Q3. どうやったらなれるの?


新卒(大学・高校)
のほか、中途採用で入社するケースも多数。たとえば製造部門は機械や電気関係の学部卒である、デザイン部門はデザインソフトを使える、海外部門では英語のスキルや資格があると、採用の際のアピールポイントになります。
「どんな人が向いているのか?」という質問には、きた産業の喜多常夫社長より「お酒が好きな人」という回答が。同社では、東京農業大学の卒業生も多いそうです。


Q4. 収入はどれくらい?


新卒の場合の初任給の一例
・営業・管理・事務職
 大学卒:21万5000円/短大・専門学校卒:20万円
・技術職
 大学卒:22万9000円/短大・専門学校卒:21万円
参考:きた産業公式HP採用ページ


Q5.
資材メーカーの未来はどうなる?


製造だけでなく、パッケージデザインや機械設備を含めた多面的な提案を行うのも資材メーカーの仕事。きた産業の歴史がコルク製造にはじまり、プラスチックのキャップや、めくれるカバーつきの打栓「AZK」を開発していったように、資材メーカーとは、
時代の変化に合わせながら、商品の付加価値を高めるパッケージ資材・パッケージング機材を提供する仕事です。また、SAKEの海外輸出や、海外の造り手に深く関わるほか、冊子やWEBを通じて情報発信をとおしてアカデミックな貢献・文化的な貢献を果たしてもいます。
酒造メーカーとはまた別の角度から、SAKEづくりに携わる資材メーカー。その視点は、今後ますますグローバル化の進むSAKEの未来にとって、決して欠かせないものなのです。

第2弾は蔵人(酒造メーカー製造職)の職業に迫るべく、6人の(元)蔵人にインタビューを実施。次回もお楽しみに!