Drinker’s Note

好みのタイプを求めて飲み比べ!
獺祭、浦霞、上善如水のうち、私のタイプはどれ?

Written by Yoko

『ちょっと知ると、もっと好きになる 日本酒超入門 呑みたい酒の見つけ方』を読んで、好みの酒を知りたくなった私は、家で3種類のSAKEの飲み比べをしてみました。

■飲む前に、好みのランキングを予想!

 

今回飲み比べをしたのは次の3銘柄です。特徴はメーカーのホームページから引用しました。

ビールならアサヒスーパードライのような淡麗辛口、ワインなら赤よりも白の辛口が好きなので、SAKEもすっきり、さっぱりとした味わいのものが好みだろうと予想しました。飲む前にそれぞれの銘柄の特徴から予想した順位は1位:上善如水、2位:浦霞、3位:獺祭です。全て冷蔵庫で冷やして冷酒で頂きました。

いざ、テイスティング! その結果は……

 

まずは獺祭。お猪口に顔を近づけると、いい香りがフワッと漂ってきます。口に含むと甘みが口の中に広がり、美味しい! 香りが素晴らしく、華やかな気持ちにさせてくれるので、食前酒やおめでたい席での乾杯の時などに頂きたいたいお酒という印象を受けました。

次に本命の上善如水。すっきりとした味わい=甘くないと予想して口に含んだところ、意外と甘口。獺祭ほどの甘みはなく、確かにすっきりとした味わいではあるのですが、同時にやさしい甘みも感じました。

最後に浦霞。米の旨みが生きている=甘いと思っていたのですが、意外なことにこれが一番甘くなく、私好みのお酒でした。甘くないのでどの料理にもよく合ったのですが、特に塩辛のように味の濃いおつまみとの相性がとてもよかったです。食中酒にぴったりの銘柄だと感じました。

さて、好みのランキングの結果発表です!

1位:浦霞

2位:上善如水

3位:獺祭

今回の飲み比べをするまでは、大吟醸酒はお米を沢山削っているので、すっきり=甘くないというイメージを持っていたのですが、飲み比べてみて、一番甘みを感じたのが大吟醸酒である獺祭だったので、長らく間違った思い込みをしていたことに気がつくことができました。同様にうまみがある=甘いと思い込んでいたのですが、この思い込みも間違っていたことに気がつきました。うまみがあっても甘くなく、すっきりとしていても甘い味わいがあることがわかり、複雑な味のコンビネーションを持つSAKEの奥深さを思い知る結果となりました。

浦霞で知った常温のおいしさ

 

この浦霞、冷酒でも十分に美味しかったのですが、メーカーのホームページによると、15〜55度がお勧めの温度帯とのこと。そこで、40度のぬる燗にして頂いてみたところ、甘みが増し、冷酒の時とは全く違う印象を受けました。次に常温まで温度が下がるのを待って飲んでみたところ、とても美味しかったのです! 冷酒、ぬる燗と比較して米の旨味がしっかりと感じられるのに、さっぱりとした味わいはそのままで、浦霞の美味しさが最大限に引き出される温度帯なのではないかと感じました。SAKEを常温で頂いたのは、恐らく初めてだったと思うのですが、冷酒が一番おいしいと信じ、氷を入れて飲む時さえあった私にとっては、浦霞の常温の美味しさはこれまでの固定概念を覆す衝撃的な味でした。

実は今回の飲み比べをするに当たって、一番迷ったのは、どの温度帯で飲み比べをするかということです。と言うのも、お勧めの温度帯が獺祭と上善如水は冷酒であるのに対し、浦霞は15〜55度でお勧めの温度帯が異なるからです。もともと冷酒が一番好きな温度帯であることもあり、全て冷酒で飲み比べて、その後浦霞だけ温めて、違う温度帯も試してみようと思い、冷酒→ぬる燗→常温の順で頂いたのですが、一度燗してから常温に戻すと味が変わってしまうということを後から知りました。SAKEはとてもデリケートな飲み物だとわかっていたはずなのに、冷やすよりも温めるほうが短時間でできるだろうという安易な考えで、図らずも美味しい「燗冷まし」の浦霞を味わうことになったわけです。従って、私は本当の常温の浦霞の味はまだ知らないわけですが、とても美味しかったので結果オーライです!

飲み比べでわかった好みの方向性とSAKEの奥深さ

 

今回の飲み比べの結果、私は大吟醸や吟醸酒よりは、精米歩合の高い(お米をあまり削っていない)SAKEの方が好みかもしれないという一つの方向性がわかりました。しかし、このこと以上に、SAKEの味の多様性と、温度変化がもたらす味の変化から感じられるSAKEの繊細さと奥深さを実感する形となった今回の飲み比べ。これからのいろいろなSAKEとの出会いがますます楽しみになりました。

私のSAKE旅はまだ始まったばかり。これからも新たな発見や経験を楽しんで行きたいです!